本記事では、ERC-6551について解説します。
ERC-6551は、イーサリアムの規格です。
実際のNFTプロジェクトも紹介しつつ、解説していきますね。
本記事で分かること
・ERC-6551とは?
・ERCとは?
・6551とは?
・イーサリアムの規格について
・ERC-6551の事例
・Shinsei Galverse(事例1)
・LOM BABY(事例2)
ERC-6551とは?
ERC-6551は、NFTがウォレットのような役割をするイーサリアムの規格です。
ひとつひとつ解説します。
[st-kaiwa3]まずは「ERC」と「6551」について解説します。[/st-kaiwa3]
ERCとは?
ERCとは「Ethereum Request for Comments」の頭文字を、取った略称です。
直訳すると「イーサリアム意見募集」ですね。
イーサリアムの中でも、規格が統一されていないと使用しにくいです。
「相互運用性を高めるために規格を統一」するイメージで問題ありません。
6551とは?
6551は、イーサリアムに対する規格の提案数です。
ERC-6551の場合は、イーサリアムに対して提案された、6551番目の提案になります。
これらの提案は、すべてが可決されるわけではありません。
また、提案自体は通らなくても、提案した事実として番号は残ります。
つまり、ERC-6551はあくまで「6551番目の提案」であり、可決された提案番号ではありません。
今まで可決された提案数の合計は、1,416です(2024年2月2日時点)
こちらのサイトから見れます。
イーサリアムの規格について
イーサリアムの規格を全て説明することはできません。
主要な規格を3つまとめます。
ERC-1155は、OpenSeaなどでNFTを発行する時に使用されています。
ERC-20はよく使われる「トークン」です。
USDCなどのトークンもERC-20です。
ERC-6551について深掘り
ERC-6551は、「NFTがウォレット」になります。
「NFT as a wallet」と言われたりもしていますね。
トークンバウンドアカウント(TBA)と呼ばれるもので、トークンがアカウントに紐づけられます。
以下の画像でイメージしてみてください。
運営者は、一度配布したNFTにNFT(トークン)や暗号資産を送ることが可能です。
つまり、運営からのエアドロップなどは、全てNFTの中に入っています。
[st-kaiwa3]つまり、運営からのエアドロップなどは、全てNFTの中に入っています。[/st-kaiwa3]
エアドロップ狙いの人が購入しにくい
エアドロ狙いの人の購入を防ぐことができます。
たとえば、CloneXは多くのNFTをエアドロップしています。
ハラぺーさんの記事で、過去のエアドロップがまとめられています。
コレクション目的でCloneX関連のNFTを全て欲しい人がいたとしたら、「CloneX+過去のエアドロNFT」をすべて購入する必要性があります。
上記のような問題を解決できるのが「ERC-6551」です。
もう一度先ほどの画像をみてください。
特性上、大元のNFTを売却した場合、他のNFTやトークンは全て購入者に渡ります。
[st-kaiwa3]NFT内のトークンを個別に売却することはできません。[/st-kaiwa3]
ERC-6551の提案者は誰か?
ERC-6551は、2023年2月にFUTURE PRIMITIVEのJayden Windle氏とBenny Giang氏によって提案されました。
Benny Giang氏は、ブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」の共同創設者です。
ERC-6551の事例
2つの事例を取り上げます。
※LOM BABYはコレクションが複数あるので、公式サイトのリンクを貼ってあります。
Shinsei Galverseの事例
まずは、Shinsei Galverseの事例から解説します。
Shinsei Galverse(@galverseNFT)は、ERC-6551で作成されたNFTではありません。
ERC-6551の最大の特徴は、ERC-721の下位互換性があり「既存のコレクションにも対応できること」です。
新しい規格ができたとき、既存のコレクションとは別でNFTを作成する必要がありました。
[st-kaiwa3]ERC-6551はコードの書き換えが不要です。[/st-kaiwa3]
Shinsei GalverseのNFTをOpenSeaで見てみましょう。
左上にバッグのマークがあります。
バッグのマークをクリックすると、NFTに紐づけられたアセット(FT)やコレクション(NFT)を見ることができます。
[st-kaiwa3]こちらは、ぼくが所有しているギャルバースですが、アセット等はありません。[/st-kaiwa3]
LOM BABYの事例
LOM BABY(@LOMBABYnft)はERC-6551のNFTを発行しています。
見てのとおり、お腹の大きい母親のNFTです。
LOM BABYは、母親のNFTがウォレットとなっています。
LOM BABYは、NFTを発行してから40週後(人間が出産するまでの期間)に赤ちゃんのNFTがエアドロされます。
つまり、母親のNFTの中に赤ちゃんのNFTがエアドロされるわけです。
ERC-6551ならではの特徴を上手く生かしています。
母親のNFTは売却が可能ですが、赤ちゃんNFTごと売却されます。
「赤ちゃんと金のどっちをとるか」という選択肢を迫られる、面白いコンセプトです。
参考記事:イーサリアムの新規格「ERC-6551」を使用したNFT「LOM BABY」について
まとめ
本記事では、ERC-6551について、事例をもとに解説しました。
まとめ
・ERC-6551とは?
・ERCとは?
・6551とは?
・イーサリアムの規格について
・ERC-6551の事例
・Shinsei Galverse(事例1)
・LOM BABY(事例2)
ERC-6551は、ブロックチェーンゲームとの相性が抜群だと思っています。
なぜなら、キャラクターNFTにアセットを付与することができるからです。
NFT使用の幅が広がる面白い規格ですね。
以上です。
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